カウンセリングとは?━なにをするの?(初回面接)━
ホームページのタグ「カウンセリング」を見ていただくと、カウンセリング申し込みからの流れと、やり方「精神分析的心理療法」「認知行動療法」などなどが書かれています。これは非常に大まかな流れのみなので、これをお読み頂いても、具体的になにをするのかイメージするのは難しいのではないかと思います。今回は、より具体的な「カウンセリング」をお示しできたらと思います。
初回面接に来て頂き、まず伺うことは当然のことでもありますが「どのようなことをご相談されたいと思っていらっしゃいましたか?」ということです。ただ、これは当たり前のようでとても難しい質問でもあると思っています。申し込まれる際に、「ちゃんとまとまった話ができないかもしれない」「伝わるように話せないかもしれない」との不安を仰る方も多くいらっしゃいます。当然のことです。相談内容や困り感には、多かれ少なかれ歴史や経緯があります。また歴史や経緯なく突如生じている場合には、さらに「説明」することは難しいでしょう。
私達がまずすることは、そのような未だまとまっていない「相談内容」「困り感」に耳を傾け、来談者の方が現在何に困っておられるのか、なにに苦しんでおられるのか、という輪郭を見出していくことです。
そして次に、「どうなりたい、もう少しどうなると良いなとお考えですか?」といった内容をお伺いします。現在阻害されている、本来ありたいあり方をお伺いするわけです。これも更に難しい質問です。「こうなりたいのにどうしてもならない」という場合もあれば「どうなりたいのかが分からないから困っている」ということだってあります。ご本人にとっての現在より良い状態、状況とはいったいどのようなものなんだろうか、これ自体をご一緒に模索します。
そのように、なにに困られて、苦しまれていらしたのか、そしてそれをどうしたいとお考えなのか、それを伺いながら、私達はそれに対してこの場がどのように役立つことができるかを考え、お伝えします。初回面接では、上記を伺った上で、こちらが把握したことをご説明し、どう役に立てるかについては場合によっては数回のアセスメント面接を経て慎重かつ丁寧にプランを立てていきます。そして、やり方をお示し、それが本当にニーズやご希望にあっているかどうか互いに検討します。そのようななかで、時に他機関の方がより適切と考えればご紹介することもあります。また、来談された方は、自分について専門家に話すというのがどのような体験か、それはご自分にとって役に立ちそうか、それを試す体験期間がアセスメント面接でもあります。結果的に、自分が求めていたものとは異なる、と思われればそこで終了としよりニーズにあったものを選択していくとなるでしょう。
カウンセリングとは、心理臨床の専門家としての視点から、現在生じている「望ましくない状況・状態」を理解し、よりご本人が望む状態・状況にするための道筋を共に考え、共に歩むものと考えています。
次回は、「歩み方」つまりやり方、技法についてご説明致します。