健康で長寿な日々を送るために ~ご高齢者の日々の食卓~
この飽食の時代に、それに背を向けるように高齢者の食卓が寂しいのをご存知でしょうか。
コンビニに売っている惣菜を買って食べているから大丈夫、なんて周りは思っていますが、実はそうではないことがとても多いのです。
色々なものがありすぎて逆に選べなくなり、慣れたものにしか手を出さなくなっていることがよく見られます。
1日、ほとんど炭水化物と野菜と豆製品だけで、動物性のタンパク質を摂るのは3日に一度という人の多いこと、多いこと。
それもその量は、至って微量だったりします。
高齢者の血液検査をしてみると、葉酸が欠乏していたり貧血だったりします。栄養失調なんてことも珍しくありません。
このように栄養失調では、もの忘れだってしますし、筋肉が失われて歩くこともできなくなります。
それでは、「もっとお肉を食べましょう」と呼びかけても、大半の高齢者は簡単には応じてくれません。
口先では「そうね、お肉を食べないとダメなのね」とは返事をしても、しばらくすると忘れたように元の食生活に戻ってしまいます。
理由をたずねると、本当はもう調理ができなかったり、固くて噛めないからという原因が見えてきたりすることもあります。
そんなときには、高齢者も受け入れられることから、徐々にアプローチしてみます。
まず好き嫌いを聞きながら食事の大切さを説明し、必要な栄養素が摂れる身近な食品をおススメしています。
ご家族や介護者さまは、ときには、スーパーやコンビニに同行してみるのも良いでしょう。
そこで、高齢者の方が躊躇なく購入できるものの例として、缶詰があります。
高齢者に取って、「安い」「柔らかい」「日持ちする」という条件のそろった肉や魚の調理したものが、缶詰にはたくさんあるのです。
その中で面白そうなもの、興味をひかれるものがあったら、是非、トライしてみてもらってください。
また、海苔も高齢者には好んで食べてもらえます。摂取量が少なくても充分な葉酸が摂れますし、血圧を下げたり脳梗塞の予防にもなります。
タンパク質のアイスクリームやゼリーも最近は販売されているので、食欲が無いときなどおススメです。
こういった食品を取り入れて、高齢者の食卓が寂しくならないように、周りが気をつけてあげたいですね。