コミュ障な私たち〜世間話の壁

 私は世間話が苦手です。なので、あまり好きでもありません。心理士になった理由のひとつはそこにあるかもしれません。少なくともカウンセリングのなかでは、世間話はさほど必要ではありません。世間話が出来なくてコミユニケーションに困る、という相談内容の時には、一緒に頭を悩ませます。相談者の方と一緒に頭を悩ませて絞り出したいくつかを今日はここでシェアさせて頂こうと思います。

 世間話というと、まず内容に悩んでしまいます。王道の天気の話、どこに住んでるか、感想(疲れましたね、大変でしたね、面白かったですね、難しかったですね)など。立ち入りすぎず、堅苦しくなり過ぎない程々の距離感を見つけるのって難儀です。しかも内容をどうしようかと考えていると、結局黙ってそこに立ってたという結果に陥りがちです。そこで、アクションの前段階で出来ることを探してみました。こちらから話しかけるのが苦手なら、少しでも話しかけられやすい雰囲気を醸し出す作戦!雰囲気って言葉に出さずとも、かなり印象に影響を与えています。とにかくリラックスしてるような態度を示し、話しかけてくれて大丈夫ですよ、別に機嫌が悪いわけではありませんよ、という雰囲気を出す。実際にリラックスしてる必要はありません。それは逆にとても難しいので、リラックスしてる風にすることが必要なのです。リラックスしてるような態度とはなんでしょう?緊張してる態度の反対を考えると思いつきやすいかも。肩の力を抜いて、ゆっくり呼吸し、下は向かず、表情筋を緩める。薄笑い?ニタニタ?表現が悪いですね、何となく口角を上げて、小さい子に笑いかける時みたいな優しい目をする。どうでしょう。そんな時に、ふと誰かと目が合ってしまった時は、焦って目を伏せたくなりますが、そこはぐっとこらえて、訓練だと思って、「ども」みたいな感じで軽く会釈してみるとかどうでしょう。口で言うのは簡単ですが、こう書いていて私自身、実際やってるところを想像すると緊張してきます。

 コミュ障なる言葉をネットなどでよく目にします。企業などが、「コミユニケーション能力の高い人材」をあんまり求めるので、それが苦手なことに注目がより集まるのでしょう。コミユニケーションのとり方にあたかも良い、悪いがあるみたいに感じられますが、何が基準でしょうか。人によって自己表現のやり方が違い、だからコミユニケーションのとり方も違う。そういうことなのだと思いますが、昨今の世の中はそれでは済まないようです。大変難しいけど、けれどどんなカタチでもコミュニケーションを楽しめたら・・・今後も模索していきます。

 

*一つ紹介です。東京大学 下山晴彦先生の研究室が制作したアプリがあります。学校バージョンですが、楽しめました!

「こみゅけん!」(iPhone)

対象:会話の苦手な学生

https://itunes.apple.com/jp/app/komyuken!/id950722411?mt=8 コミュニケーションに不安を持つ高校生が,うまく友達を作るための会話スキルを,「ツンデレ妹キャラ」に優しく教えても らいながらストーリーを進めるゲーム。4 つの選択肢からクイズ感覚で言い方のレパートリーを増やすことができる。