認知症について(予防と対策)

以前、認知症予防や、高齢者の食事などについて書かせて頂きましたが、今回は全体的なお話をしたいと思います。

『認知症』には、最も多くみられる『アルツハイマー型認知症』をはじめ、『レビー小体型認知症』や『脳血管性認知症』など様々なタイプがあります。また、現れてくる症状も多岐にわたります。(最近話題になっている、『治る認知症』もありますが、それは割合的にはごくわずかです)。

具体的には、物忘れが目立つようになってきたり、何度も同じことをくり返して言うなどの記憶障害が挙げられます。その他にも性格が変容したり徘徊や暴言・暴力が出現することもあります。さらにひどくなってくると幻覚・妄想といった精神症状をきたす場合もあります。認知症は進行性をたどるためこのような症状を早期に発見して適切なケアを行っていくことが重要となります。

しかし、まずは認知症に罹患しないためにしっかりと予防していかなければなりません。では、どのようなことに気を付ければよいでしょうか?

①食生活:認知症に罹患する原因の多くが日頃の生活習慣が大きく関わっていることがわかっています。そのため、食生活では野菜や果物、あるいは青魚を積極的に食べることで脳の認知機能を正常に保っていくことができます。

②運動:また週に3日程度の有酸素運動や太陽光をしっかりと浴びることも有効です。さらには文字を多く書くことや美術品に触れるなども効果があります。

③人との交流:そしてより多くの人と対人接触し会話することも認知症予防にはかかすことができません。

④もちろん禁煙と節酒を心掛けることも必要です。

それでも認知症に罹患してしまった場合でも適切なケアを行うことで症状を改善させることが可能です。先程ご紹介しました、予防方法と同じ考え方で、進行を遅らせたり、症状や問題行動の対策をすることもできます。

具体的な改善方法としては、

①食生活:コレステロールや塩分の高い食事を控えて野菜や果物を多く取ることで、抗酸化作用により認知機能の低下を予防することができます。また日々の食事で不足しがちな栄養素をサプリメントで摂取するのもよいでしょう。例えば血中コレステロールをコントロールするオメガ3脂肪酸や熟睡作用のあるグリシンを多く含むサプリメントなどはとてもおすすめです。

②運動(軽い活動):激しい運動は難しいかもしれませんが、体操をする、一緒に散歩するなどすることで、気分転換を図ることができます。昼夜逆転や徘徊をくり返すのであれば散歩やストレッチなど軽めの運動を行ったり、ヒーリング系の音楽を聴いてもらうことで精神的にもリラックスしてもらうことができたり、身体を使った疲労から眠りやすくなる場合もあります。

③人との交流:認知症だからといって、隔離したりケアを放棄することはますます症状を進行させることになってしまいます。特に不安がでている場合や、逆に妄想や幻覚が出現している場合でも、まずは安心できる雰囲気を作り出すために手をとってしっかりとお話を傾聴してあげたり、一緒に何か作業をする、ということはとても大事です。

認知症に罹患している本人も苦しいでしょうし、ご家族様や周囲の方もお辛いかと思いますが、これらのケアを行うことで認知症の予防や改善を行うことができる場合もあります。その方にあったやり方を見つけるまでは試行錯誤かもしれませんが、にあきらめずにぜひ実践してみてください。