不眠症の認知行動療法始めました!

睡眠のための認知行動療法(CBT-I)は,米国において不眠症に対する標準治療に位置づけられるほどに,その有効性が確立されています。 基本的にCBT-Iの手順は、睡眠についての心理教育を行い、睡眠日記を毎日記載し、それに基づいて現在不適切となっている睡眠行動を、適切な睡眠行動にに修正していく、というものです。

不眠症の治療例1

B(60代)さんは、定年直後の方で、定年後は健康で長生きするために22時に入眠し て、朝の6時に起床して妻と散歩をすることを日課としようとしました。しかし、現 役時代は夜遅く帰宅し、寝床に着くのは0~1時という生活でしたので、にわかには22 時には眠れません。そこできしろ心理相談室に相談に来られました。

 臨床心理士の指導により、毎晩の睡眠のパターンを睡眠日記に記載し、それを見な がら臨床心理士が入床時間などを指導しました。入床時間を遅くしていったところ、 寝つきが良くなり、朝の6時にも起きられるようになり、妻との散歩もできるように なりました。

 60歳の健常者の平均的な睡眠時間は5~6時間でも良い、と言われており(個人差が ありますが)、Bさんは急に8時間睡眠を目標とした結果、かえって焦ってしまい眠れ なくなっていた、強迫性不眠でした。やはり2~3か月もすると不眠は解消し、治療を 終えることが出来ました。

*これらの治療には、個人差があり、すべてのケースに当てはまるものではありませ ん。またクライアントのプライバシーに配慮して記載しておりますので、個々の情報 は特定の個人を示すものではありません。

不眠症の治療例2

A(40代)さんは、企業戦士として毎晩、遅くまで働いました。22~23時に帰宅して、 妻が作る夕食を肴にビールや焼酎と飲むことを唯一の息抜きとしていました。

 しかし、お酒を飲むと寝つきは良いのですが、夜中に何度も目が覚めてしまい、熟 睡できなくなりました。そこできしろ心理相談室に相談に来られました。

 典型的なアルコール性不眠の経過でしたので、臨床心理士が日々のストレスに関し て傾聴し、睡眠日記を毎日記載し、当面の断酒を勧めたところ、1か月程度で夜中に 目が覚めることもなくなり、熟睡できるようになり、治療を終えることが出来まし た。

*これらの治療には、個人差があり、すべてのケースに当てはまるものではありませ ん。またクライアントのプライバシーに配慮して記載しておりますので、個々の情報 は特定の個人を示すものではありません。