Dr.Naokiの森田療法コラム ~「第九回目」不登校について~

学校に行けない:

不登校のお子さんも親御さんに伴われて時々受診されます。

理由を問うと、学校の座席が一番前で、後ろから見られているような気がしてから学校に行けなくなったと言います。

たまたま授業中に当てられてうまく返答できず恥ずかしかったなどが契機になります。さらに学校に行けなくなることで、

ますます他の生徒たちや先生たちの反応が気になり、ますますいずらい気持ちが高まり(精神交互作用)、親からも言われて

「いかなければ」(かくあるべし)という気持ちと実際に「いけない」(かくある)事実が乖離してしまいます(思想の矛盾)。

対人恐怖あるいは社交不安障害という状態に陥っています。思春期のころの「周囲の視線が気になる」というのは自然な反応です。

「嫌われたらどうしよう」などの思考のとらわれに陥り、不安の渦が形成されてしまいます。頭痛や頭重感、不眠や食思不振、

動悸や腹痛など身体症状も出現し、内科を受診しますが、異常は認められません。いまの自分の状態が自然な反応であること、

「いまの自分でいいのだ」(あるがまま)と自覚します。そして注意を外に向け、親も含めて周りの人に自分の気持ちを伝えていきます。

気持ちが分かってもらえると「こころ」が温かくなり、これまでの行動にも変化がでてきます。

 

友だちや先生にも働きかけることができるようになっていきます。

しばらく学校に行けないことがあって、自分だけが取り残されたように感じてしまいます。そしてもちろんそのことがプレッシャーに

なって不安の渦は固定化して頭痛やだるさ、抑うつ気分や希死念慮が続いてしまいます。まずは五感を働かせながら周囲に注意を向ける

ことと、学校のことは置いておいて、まずは目的をもった行動をすることを行います。また機会をみてまわりの人に自分の気持ちを伝え

たり、またまわりの人の気持ちも受け止めるようにしていきます。すると不思議なことにこころが温まっていくのです。そしてこれからの

ことも考えられるようになっていきます。

 

〇再登校し、先生や仲間とも交流を開始する。

〇学校は諦めて、自分の好きな活動を行えるような環境を作っていく。

 

どのような道を歩むことになるのかは、様々ですが、大事なことは:

①自分で自分の人生を選ぶこと。

②他人にいわれて従うのではないこと。

③決めらず、迷う時はそれもしかたないこと。

 

だと思います。森田自身ある時呉教授から千葉大学の教授にならないか打診され、熟考の上断っており、

しかしあとで後悔したようです。しかし今の置かれている立場で日々切磋琢磨して過ごしたことから、100年経っても多くの人たちに

影響する森田療法が出来上がったのではないかとも思うのです。将来どのような自分になるのかまだ分からないと思いますが、大事なこ

とは1日、1日を大切に生きることだと思います。また森田のいう「自然服従」によれば、自分がやりたいことが必ず見つかると思い、そ

の発見を大事に育てていくことがいまの自分の課題ではないかと思うのです。そして「境遇に従順なれ」という言葉からは、周囲の人た

ちや周囲自然をしっかりとみつめることで「事実唯真」の言葉にあるように、主観的な「思い込み」に陥っていないかを吟味することが

重要です。

※次回は「発達障害」について考えてみましょう。