Dr.Naokiの森田療法コラム ~「第十二回目」トラウマ体験と性格について考える~
トラウマ体験について
過去にある人から「身体的」、「心理的」あるいは「性的」に不本意な仕打ちをうけ、その体験が想起されると身体が反応し、
震えや行動抑制が生じ、こころは混乱し、パニックになります。しかしこれらは外から影響を受けたものです。
これまではトラウマの体験内容を詳細に伝えてもらい、思考レベルでの改善を求めたりしてきましたが、
森田療法でできることは、そのつらい体験はそのままにして、むしろ周りの人や周囲自然との関りの中で、
「こころが温まる」体験を増やしていきます。
むしろ「こんな自分は生きる価値がない」とか「誰も相手にしてくれない」などと考え、同じく「不安の渦」に巻き込まれている場合に
は、いまの自分のままでいいこと、自分なりの生き方があることに気づいていくのです。
性格について考える
ここで私たち人間の性格について考えてみたいと思います。
森田も以下の7つの性格をあげていますが、ひとりずつひとつの性格があてはまるわけではありません。
生まれつきの基本的な性格はあるかもしれませんが、生後にどのような環境に置かれるかによって
わたしたちの性格も変化していくと思われます。森田が見出した「神経質」については一番最後に述べることとしてほかの性格についてまず説明します。
1.ヒステリー:
心理的葛藤が原因で記憶や同一性(自己同一性も含む)が失われるいわゆる解離性障害という状態と運動まひや失声、感覚異常が生じ
る転換性障害や身体表現性障害が当てはまります。怒りや悲しみ、興奮が背景にあります。
2.意志薄弱:
物事を最後までやり遂げる気持ちや決断力・忍耐力が弱い状態と言えます。これは環境の影響によっても気持ちがゆらぐことは十分に
考えられます。
3.感情発揚性素質:
気分が高揚しやすい性格であり、そう病の診断がつきやすいと言えます。
4.感情抑うつ性素質:
気分が落ち込みやすい性格であり、うつ病になりやすいと言えるでしょう。
5.感情執着性素質:真面目で几帳面、完璧主義の人で、ものごとにこだわりやすい性格で、この場合もうつ病になりやすいといえま
す。
6.分裂性気質:
内向的・非社交的な性格で、人の言動に過敏に反応し、不安定になりやすいと言えます。
7.神経質:
そして最後に森田が提唱する神経質ですが、森田はその発症機制について、ヒポコンドリー性基調という素質を挙げています。ヒポコン
ドリーとは心窩部の意味であり、自己の心身のありかたを異常ととらえる心理機制を指します。そして機会と精神交互作用の病因によっ
て症状が形成されるととらえています。生存欲の現れとみることもできます。
自己開示について
森田療法は「症状を治す」よりも「いかに生きるか」という視点を重視しています。
そして治療者のわたしも同じようによりよく生きたいと思っています。ですからよく「自己開示」というのを行います。不十分な自分であっても行います。
※次回で「森田療法について」のコラムは一旦締めとなります。









