Dr.Naokiの森田療法コラム ~実は「不安」が関与している~

~実は「不安」が関与している~

こころが重いという状態の変化には実は不安が関与しているとわたしは思うのです。

まず基礎となる不安は取り除くことができません。

わたしたちは朝起きてから寝るまでさまざまな心配事が頭をよぎります。

「電車は定刻にくるかな・・」「事故があったらどうしよう・・」「遅れたらどうしよう・・」「仕事がうまくいかなかったらどうしよう・・」

などなどです。

これは別のことばでいえば、不安があるから外界から身を守ることができていると言えます。

ですから「不安はそのままにしておく」ことが最善のあり方なのです。

問題はしかしあることがらに「とらわれ」そして「はからう」ことによって生じるいわゆる「不安の渦」に

わたしたちはいつしか飲み込まれてしまうことなのです。

そしてこれは森田療法によって対処できるのです。

~不安の渦の図~

図に示すように本来の不安が思考による「とらわれ」と「はからい」によって

どんどん大きな渦となってしまいます。

それに関与する心理作用として「精神交互作用」と「思想の矛盾」という森田の言葉があります。

精神交互作用とは、ある1点に注意が向けられるとますますその点が気になってしまうという作用です。

例えば上司の視線などです。

普段気にしていなかったのにある時から注意されたことを契機に気になり始めます。

また思想の矛盾というのは、「かくあるべき」と思うことが「かくある」現実とかけ離れた場合に用いられます。

例えば「失敗は許されない」という気持ちがあっても、そう思えば思うほど結果としてうまくいかないことはありますよね。

上司からたまたまメールがきて、「なんだろう」と不安になり(とらわれ)、返事を送った(はからい)けれども

なにも応答がない時にますます不安が強まりますよね。

そしてこのような心理機制は各種不安性障害(大きくは全般性不安障害、恐怖症性不安障害、適応障害など)、

その他強迫性障害や摂食障害、うつ病や統合失調症、解離性障害やパーソナリテイ障害においても認めることができるのです。

※次回は「森田療法について」のコラムになります。